AIが保険相談で検索するブランドとは?モデルごとに最大77.9%の差

10,528件のAI回答を分析。GPT系とGemini・Claudeでは検索クエリの作り方に大きな違いがあることが判明。

AIが保険相談で検索するブランドとは?モデルごとに最大77.9%の差

Optyino.ai(オプティーノエーアイ)は、AI検索時代のブランド露出を可視化・最適化するGEO/AIO/LLMOプラットフォームであり、そこに蓄積されたAI回答ログをもとに、生成AIが保険相談・FP相談に関する質問に答える際、検索クエリの中にどの程度ブランド名を含めているのかを分析しました。

本調査では、「おすすめのfp相談サービスを教えてください」「老後の資金について相談できる場所を教えてください」「オンラインの保険相談なら、どこがおすすめ?」など、保険相談・FP相談・積立NISAの相談先を尋ねる12件のプロンプトを対象に、2025年8月11日から2026年4月24日までに取得されたAI回答10,528件を分析しました。

調査サマリー

分析の結果、抽出された検索クエリ15,727件のうち、ブランド名入りクエリ(検索クエリの中に固定ブランドリストの名称が1つ以上含まれていたクエリ)は3,161件で、全体の20.1%を占めることがわかりました。

ただし、検索クエリを取得できたのはGPT-5 mini・GPT-5.2・Gemini 2.5 Flash・Claude Sonnet 4.5の4モデルに限られ、その中でも差は大きく、GPT-5 miniは39.8%、GPT-5.2は30.9%がブランド名入りだったのに対し、Gemini 2.5 Flashは2.3%、Claude Sonnet 4.5は0.0%にとどまりました。

1回の検索実行単位(1回のAI回答生成のために行われた検索のまとまり)で見ると、GPT-5 miniは77.9%が少なくとも1件のブランド名入りクエリを生成しており、GPT-5.2も62.5%に達しています。

個別ブランドでは、業界団体である日本FP協会が970件で最も多く言及され、保険相談サービスのほけんの窓口の867件をわずかに上回りました。

上位3ブランド(日本FP協会・ほけんの窓口・保険見直し本舗)の合計は2,358件で、全ブランドの一致件数3,627件の65.0%を占めています。

調査の背景

近年、生成AIを使って保険相談やFP相談の相談先を調べる場面が増えつつあります。

生成AIの中には、回答を作成する過程で検索エンジンに検索クエリを送信し、その結果をもとに情報を整理して提示する仕組みを持つモデルが増えています。

ここでいう検索クエリとは、AIが回答生成の過程で検索エンジンに送信する検索語句を指します。

この検索クエリの中に特定のサービス名や企業名が最初から含まれているかどうかは、そのブランドがAI経由でどれだけ露出しやすいかに直結すると考えられます。

そこでOptyino.aiでは、保険相談・FP相談・積立NISA相談に関する質問を生成AIに投げかけた際、検索クエリの中にどの程度ブランド名が含まれるのかを分析しました。

あわせて、保険・FP相談系、証券系、業界団体である団体系という3つのカテゴリのうちどれが選ばれやすいのかも比較しています。

主な調査結果

保険相談の検索クエリ、ブランド名入りは平均20.1%――GPT系とGemini・Claudeで大きな差

抽出された検索クエリ15,727件のうち、ブランド名入りクエリは3,161件で、全体に占める割合は20.1%でした。

ただし、検索クエリを取得できたモデルは4種類に限られ、その中でも割合には大きな差があります。

GPT-5 miniは39.8%、GPT-5.2は30.9%とブランド名入りクエリの割合が高い一方、Gemini 2.5 Flashは2.3%、Claude Sonnet 4.5は0.0%にとどまりました。

GPT-5 miniとClaude Sonnet 4.5の差は39.8%に達しており、同じ質問を投げても、AIモデルによって検索クエリの組み立て方が大きく異なることがうかがえます。

この差は、各モデルが検索クエリを生成する際に、固有名詞を積極的に補うか、一般的な表現にとどめるかという設計の違いに起因している可能性があります。

検索クエリ単位では39.8%でも、検索実行単位で見るとGPT-5 miniの77.9%がブランド名入り

検索クエリ単位と検索実行単位のブランド名入り割合比較
検索クエリ単位と検索実行単位のブランド名入り割合比較

検索クエリ単位のブランド名入り割合はGPT-5 miniで39.8%ですが、1回の検索実行単位で見ると77.9%が少なくとも1件のブランド名入りクエリを含んでいます。

モデルブランド名入りクエリ割合1件以上ブランド名が入った実行割合
GPT-5 mini39.8%77.9%
GPT-5.230.9%62.5%
Gemini 2.5 Flash2.3%6.6%
Claude Sonnet 4.50.0%0.0%

検索クエリ単位の割合と検索実行単位の割合には大きな差があります。

GPT-5 miniはクエリ単位では39.8%ですが、実行単位では77.9%と、率にして2倍近くまで上がります。

GPT-5.2も同様に、クエリ単位の30.9%に対し実行単位では62.5%と、約2倍の差があります。

これは、1回の検索実行の中で複数の検索クエリが生成されており、そのすべてにブランド名が入るわけではないものの、少なくとも1件には入るケースが多いことを示しています。

つまり、AIが保険相談やFP相談について回答を作るとき、検索の入り口としてブランド名を一切使わないケースは実際には少なく、多くの場面で何らかのブランド名が検索クエリの候補に上がっていると考えられます。

Gemini 2.5 FlashとClaude Sonnet 4.5では実行単位で見てもそれぞれ6.6%、0.0%にとどまっており、モデルによる差はクエリ単位以上に実行単位で際立つ結果となりました。

カテゴリ別では、GPT-5 miniは団体系(日本FP協会など)の使用率が保険・FP相談系の70%を超える

モデル別・カテゴリ別 一致クエリ割合
モデル別・カテゴリ別 一致クエリ割合

GPT-5 miniのカテゴリ別一致率は保険・FP相談系が21.6%であるのに対し、団体系は15.2%で、保険・FP相談系の70%を超える水準に達しています。

モデル保険・FP相談系団体系証券系
GPT-5 mini21.6%15.2%3.0%
GPT-5.223.1%7.6%0.2%
Gemini 2.5 Flash2.2%0.0%0.1%
Claude Sonnet 4.50.0%0.0%0.0%

保険相談やFP相談について尋ねているにもかかわらず、GPT-5 miniは検索クエリの中で業界団体である日本FP協会を高い頻度で使っていることがわかります。

GPT-5.2も団体系の一致率は7.6%あり、保険・FP相談系の23.1%と比べると差はあるものの、一定数は団体名が検索クエリに現れています。

Gemini 2.5 Flashは団体系0.0%、証券系0.1%とほぼ皆無で、Claude Sonnet 4.5はいずれのカテゴリも0.0%でした。

日本FP協会は個別の保険相談サービスではなく業界団体ですが、公的な立場から発信された情報が豊富にあるため、AIが検索クエリを組み立てる際の信頼できる参照先として選ばれやすい可能性があります。

個別の保険相談サービスにとっては、競合する同業他社だけでなく、こうした業界団体の情報発信とも比較されている可能性がある点を意識する必要があると考えられます。

ブランド別ランキングでは業界団体「日本FP協会」が970件で最多、上位3ブランドで全体の65.0%を占める

ブランド別 一致クエリ数ランキング
ブランド別 一致クエリ数ランキング

個別ブランド16件のうち、日本FP協会は970件で最多となり、保険相談サービスのほけんの窓口の867件をわずかに上回りました。

順位ブランド名カテゴリ一致クエリ数構成比
1日本FP協会団体系97026.7%
2ほけんの窓口保険・FP相談系86723.9%
3保険見直し本舗保険・FP相談系52114.4%
4保険クリニック保険・FP相談系3108.5%
5マネードクター保険・FP相談系1935.3%
6保険見直しラボ保険・FP相談系1213.3%
7マネーキャリア保険・FP相談系1133.1%
8ほけんのぜんぶ保険・FP相談系1113.1%
9SBI証券証券系922.5%
10保険チャンネル保険・FP相談系812.2%
11保険マンモス保険・FP相談系651.8%
12楽天証券証券系591.6%
13オカネコ保険・FP相談系511.4%
14保険市場保険・FP相談系491.4%
15みんなの生命保険アドバイザー保険・FP相談系200.6%
16ほけんの110番保険・FP相談系40.1%

上位3ブランドである日本FP協会・ほけんの窓口・保険見直し本舗の合計は2,358件で、全ブランドの一致件数3,627件の65.0%を占めています。

上位5ブランドまで広げると合計2,861件となり、全体の78.9%に達します。

一方、6位以下の11ブランドを合計しても766件で、全体の21%程度にとどまり、上位数ブランドへの集中がはっきりと現れています。

なお、ここでの合計3,627件は、1つの検索クエリに複数のブランド名が含まれる場合を重複してカウントした数値です。

そのため、モデル別セクションで示した「ブランド名入りクエリ3,161件・20.1%」とは、分母・分子の定義が異なる点に注意が必要です。

日本FP協会とほけんの窓口の差はわずか103件で、両者は僅差の1位・2位という結果になりました。

新規に保険相談サービスを立ち上げる場合や、既存サービスの認知拡大を検討する場合、まずはこの上位ブランドと同程度の言及量を目指すことが、生成AI経由での露出を増やす一つの目安になると考えられます。

保険相談の質問でも証券系ブランドが混入、SBI証券92件・楽天証券59件

保険相談・FP相談をテーマにした質問であっても、証券会社の名称が検索クエリに含まれるケースがあり、SBI証券は92件、楽天証券は59件のクエリで言及されていました。

モデル別に証券系カテゴリの一致率を見ると、GPT-5 miniが3.0%で最も高く、GPT-5.2は0.2%、Gemini 2.5 Flashは0.1%、Claude Sonnet 4.5は0.0%でした。

今回のプロンプトには積立NISAに関する相談先を尋ねる質問も含まれており、こうした資産運用系のトピックが混じることで、AIが保険相談の範囲を金融相談全体に広げて解釈し、証券会社の名前を検索クエリに含めた可能性があります。

保険・FP相談サービスにとっては、こうした資産運用に関する話題でも自社が想起されるようなコンテンツを持っているかどうかが、AI経由での露出機会に影響する可能性があると考えられます。

調査からわかる考察

今回の調査から見えてきた最大のポイントは、保険相談・FP相談というひとつのテーマであっても、AIモデルによって検索クエリへのブランド名の含め方が大きく異なるという点です。

GPT-5 miniとGPT-5.2は検索実行単位で60%台後半から77.9%という高い割合でブランド名を含めているのに対し、Gemini 2.5 Flashは数%、Claude Sonnet 4.5は0%と、事実上ブランド名が検索クエリに現れていません。

保険・FP相談業界のブランドがAI経由での指名的な露出を狙う場合、現時点では優先してGPT系のモデルへの対策を検討する余地が大きいと考えられます。

カテゴリ別・ブランド別の結果からは、業界団体である日本FP協会や証券会社が検索クエリに含まれるケースが多く、上位3ブランドで全体の65.0%を占めるなど、少数のブランドへの集中も明確です。

これから保険相談・FP相談分野でAI経由の露出を強化しようとする事業者は、まず自社サービスがGPT系モデルの検索クエリの中でどの程度、どのカテゴリのブランドと並んで扱われているかを定点観測することが、次の打ち手を考えるうえで具体的な出発点になると考えられます。

調査概要

  • 調査期間: 2025年8月11日〜2026年4月24日
  • 対象プロンプト: 保険相談・FP相談・積立NISAの相談先を尋ねる質問など12件
  • 実行ログ総数: 10,528件
  • 検索クエリ抽出成功行数: 4,268件
  • 抽出検索クエリ総数: 15,727件
  • 比較対象モデル: GPT-5 mini、GPT-5.2、Gemini 2.5 Flash、Claude Sonnet 4.5(他13モデルは検索クエリを取得できず対象外)
  • 判定対象ブランド: 保険・FP相談系14件、証券系2件、団体系1件の計17ブランド(固定のブランドリストとの文字列一致で判定。うち一致クエリが1件も無かった1ブランドは、ブランド別ランキングの表には登場しません)

注記

※モデルごとに検索クエリが格納されている場所が異なるため、クエリを取得できないモデルも存在し、全モデルを同一条件で完全に比較できているわけではありません。

※ブランド名の判定は固定のブランドリストとの文字列一致で行っており、表記ゆれや部分一致は考慮していません。

※ブランド別ランキングの一致クエリ数の合計(3,627件)は、1つの検索クエリに複数のブランド名が含まれる場合を重複してカウントしたものです。そのため、モデル別セクションで示した全体のブランド名入りクエリ割合(20.1%、3,161件)とは分母・分子の定義が異なります。

※本文中の「GPT-5 mini」「GPT-5.2」「Gemini 2.5 Flash」「Claude Sonnet 4.5」は、分析上ではそれぞれ「gpt-5-mini-2025-08-07」「gpt-5.2-2025-12-11」「gemini-2.5-flash」「claude-sonnet-4-5-20250929」というモデルのデータに対応します。

※本記事の内容は情報収集・分析を実施した時点のものであり、公開時点では状況が変化している、または情報が古くなっている可能性があります。

※本調査は生成AIのAPI等を通じて取得した回答データを分析したものであり、実際のユーザー体験・検索結果とは異なる場合があります。

※数値は調査時点のものであり、AIモデルのアップデート等により変動する可能性があります。

Optyino.aiとは

AI時代のブランドを可視化する、生成AIエンジン対策(GEO/LLMO/AIO)ツール。

ChatGPTやPerplexity、Geminiなどの生成AIにおいて、自社ブランドがどのように言及・引用されているかを分析し、AI検索時代における新しいマーケティング指標を提供します。

表示スコアや引用分析、ブランドシェアなどのデータを通じて、企業が「AIに選ばれるブランド」になるための改善アクションを支援します。

会社概要

  • 会社名: 株式会社Wallabee
  • 所在地: 東京都渋谷区桜丘町18番4号 二宮ビル1F-92
  • 事業内容: GEO・LLMO領域の研究・プロダクト開発、AI検索対策支援、Webマーケティング支援
  • サービス: https://optyino.ai
  • URL: https://wallabee.co.jp/
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